夢の中

疲れ果てて 部屋にたどり着いた
真っ暗な部屋の ソファに腰掛ける
頭頂部に意識のノイズが嵐のように渦巻いており 考えがまとまらない
今日は何をしてきたのか 覚えていない
兎に角 この疲れ、焦燥感、悲壮感から逃れたい
 
肩を後ろに引き 顎を突き出して喉を開いて呼吸をする
肺の奥底から 息をする感覚がある
息が出来ている 一分間に4回くらいの呼吸数で・・・・・・
意識が薄れてくる もう少し頑張れば 意識がなくなるぞ・・・・・・
眠られる・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 
ふっと 呼吸をしている感覚がなくなる
意識が自分からふわりと抜け出す 

何だ 暗い部屋のソファで 木で作られた人形が転がっているぞ
ピクリともしないぞ 転がっているだけだ
可哀想な奴だな・・・・・ははは
 
そのまま 黒い空気のような状態で部屋を見回す 移動する
何もない部屋 変わりようのない部屋 
何もない日常 変わりようのない日常
 
意識は しかしその辺りを漂うだけで 外界に出ることはしない 出来ない
こうして 僕の意識界は一日の疲弊した神経を 何とか回復させようと 無意味に努力する 頑張る
何とも 無力な抵抗、何という悲愴
 
ふと ツールドフランスのレースに目が覚めた